森羅万象の旅日記
9.マイナスイオン
さあ今日の予定は乗鞍岳である。何しろ車で二千七百メートルまで上ってしまうというからすごい。濃霧が晴れてそろそろ頂上に近づいたあたりで車が混んできた。もう高木はなく低木と草ばかりである。だからはるか彼方まで見渡す事ができる。
それにしても何と壮大な景色なのだろう。あまりに風景が素晴らしいので少しくらいの渋滞は全く気にならない。しかし今でこれなら、シーズンや週末は大変な混雑が予想されるな。
車を駐車場に入れて三十分くらい歩くと展望台に出た。あまりに景色が雄大なのでスケール感がうまくつかめない。この広がりを全部、写真に入れようと欲張って広角レンズなどを使うと、たいがい失敗する。
もっとも私は二十ミリの超広角を使ったが、あとで焼いてみたら、案の定たいした出来ではなかった。考えてみたら、今まで広角レンズを使って傑作写真を撮った記憶がほとんどない。きっと色々な要素が入りすぎてしまうのだろう。
レストハウスにもどって食事をしていると、若いカップルが懸命に何かをさがしている。聞いてみると、車のキーを無くしたらしい。我々も付近をさがしたが、それらしきものは見つからない。
ここは二千七百メートルの高原である。一番近い町だって相当な距離がある。それに大変な渋滞なのだ。とても気の毒な話ではあるが、もし自分がそうなってしまったとしたら考えるだに空恐ろしい気がする。
何とか見つかることを願いながら、九十九折の坂道を猛スピードで駆け下りる。山の北側の一部には断片的にまだ雪渓が残っている。白樺林を通り抜け、だいぶ標高も下がってきた。と、そこにあまりめだたないが、三本滝の看板が目に入った。
まだ時間も早いしちょっと寄っていこうということになり、何も持たずに細い山道を標識にしたがって下り始めた。思った以上に道は悪いし急坂である。それにいつまで歩いても滝の音らしきものは聞こえてこない。
この道をまた登ってくるのかと思うと、トホホ、止めときゃよかった。ところが急に視界が開け、渓谷に沿って清流が流れている場所に出た。見事な清流である。小さく流れ落ちたり、碧くよどんだ所など、きっと岩魚の宝庫なんだろうな。
そんな渓谷に沿って歩いていくと、聞こえる聞こえる、滝の音が。しかもこの音は並みの大きさではないぞ。足場は悪いが期待感を持って大きな岩を超えると、滝の一部が見え始めた。
そして滝の全容が見えた時には、つくづくカメラを持ってこなかったことを悔やんだ。車まで取りに行こうとも思ったが、思っただけである。この辺がプロとアマの違いなのかなー。
滝壷でマイナスイオンをたっぷり吸った我々は、足取りも軽く坂道を登り、今日の宿泊地である乗鞍の町に向かった。今日はキャンプではなく、めずらしく旅館を予約しておいたのである。しかしこれが後で、大変幸をそうしたのであった。 つづく
風水ワンポイントアドバイス
最近マイナスイオンという言葉をよく目にしませんか。昔はマイナスイオンとプラスイオンの割合が正常だったものが、現在はプラスイオンの割合が増える傾向にあります。これは文明病とも言えるものです。
なぜかと言いますと、プラスイオンは車のエンジンや排気ガス、そして現在では必需品となった電子レンジやテレビ画面からもたくさん放出されます。プラスイオンは人間を早く老化させたり、ストレスをためたり、疲れやすくさせたりします
マイナスイオンは全く逆で、健康な生活を維持していくためには、絶対に必要なのです。マイナスイオンを取り入れられる方法は色々ありますが、滝壷の周辺にはとても多いのです。これをレナード効果といいます。レナードとは人の名前です。
人は無意識に滝に惹かれますね、(私も含めて)、そして滝の近くはとても気持ちが良いですね、これはマイナスイオンのおかげです。水の飛沫がプラスに帯電し、その反作用で周辺がマイナスとなるのです。
けれど、滝となると、そう度々は行けませんね。そんな時はシャワーでも良いのです。シャワーの飛沫が滝と同じような効果をかもし出します。でもシャワーは直接肌にかけますので、一回五分位にしたほうがいいと思います。