風水入門             



9.家の張りと欠け U

天には何千億個ともいわれている星があります。それが衝突する事も無く規則正しい軌道を描いています。これは天に一定のリズムがあるからだと思います。このリズムを私は天脈という言い方をしたいと思います。

私たちが今立っている地面の下には水が流れています。しかしどこを掘っても水が出てくるというわけではありません。専門家は確実に水脈を見つけて、そこを掘るわけです。鉱脈も同様ですね。この大地のリズムを地脈という言い方をしたいと思います。

そして我々が生活するこの大気中にも、同じようにリズムがあると思います。最近、世界的に有名になった気功は天や地の「気」のリズムを人体内の気の流れに置き換えたものです。

身体の中には陰と陽の気の流れがあり、両者の流れがスムーズでないと体調が崩れたり、病気になったりします。陰陽の気の流れがスムーズに流れるようにするための鍛錬法が気功なのです。

私はこのリズムを気脈という言い方をしたいと思います。この気脈を断ち切るような行為をすると、自然界では災害が起き、また我々の周りでは、病気になったり様々な不幸を招いたりするのです。

さて住宅ですが、気脈を断ち切るような設計をすると凶相な家となってしまいます。この場合、採光、通風、も気脈に含まれます。また生活動線も大事な要素です。生活動線とは日常生活の中で、部屋から部屋へと移動する軸線や、台所などで作業する時の使い勝手のことです。

また、耐震構造壁を断ち切るような欠けや、先ほどの気脈を断ち切るような欠けは凶相となります。ですから欠けは、各家固有の問題なのです。平面図だけ見て、とても判断できるようなものではないのです

同様に、張りにも同じことが言えます。建築的な必然性から生まれた張りではなく、ただ単に出っ張れば吉ということで出した空間など、使いにくいし、外からの見た目も良くありません。これこそ気脈を断ち切ることになってしまいます。

「有諸内而形於外」 これは、内に宿すもろもろの働きや性質は、その外面の姿形に現れる、という中国タオイズムの考え方なのですが、人間にもぴったり当てはまりますが、建物にも同様のことが言えますね。